年間100万人以上が足を運ぶ「厳美渓」は、場所・時期によって景観がガラリと変わるのも醍醐味です。岩間を通る荒々しい水流が豪快な水しぶきをあげる上流に対し、下流では穏やかな水面が広がり、ゆったりとした景観を楽しむことができます。地質学的にも貴重な「甌穴(おうけつ)」が多いのも見どころの一つです。
※甌穴とは川の砂や小石が水流に乗り、川底の岩盤を削ってできた丸い穴のこと。
四季折々の風情も実に見事で、春には伊達政宗公お手植えと伝わる「貞山桜」が咲き誇り、冬には黒い岩場に真っ白い雪が降り積もる、水墨画さながらの神秘的な風景が広がっていきます。この当たりの“変化に富んだ美”は、本作SLGH021にも上手に活かされていますね。
余談ですが、「厳美渓」は(対岸から)カゴがリフトに乗って運ばれる「空飛ぶ団子」も有名です。ふわふわと空中に浮かぶ団子は、セットのお茶もこぼれずに届くため、拍手喝采の歓声があがるそうです。一度は経験してみたいパフォーマンスですね。
眺めて美しい、見て(食べて)嬉しい、岩手県が誇る観光名所でしょう。
荘厳で神秘的な厳美渓の景観をイメージした文字盤
SLGH021の緑文字盤はスパンコールのようにキラキラ光る
「厳美渓」は四季折々で色調が変わり、約2kmにわたる「静」と「動」の渓谷美が迫力満点でしたが、グランドセイコーの“厳美渓”SLGH021も壮麗な造形美を完成させています。
実機を試着した方が「角度によってシルバーになる不思議な色」と評していたように、エメラルドグリーンの文字盤は、光の具合で様々な表情を浮かべていきます。紙吹雪を散りばめたような独特の型打ち模様は、絶妙な高低差で粒感を残しつつ、キラキラと光るラメのように、奥深い輝きを添えています。
悠久の時を経て大自然が彫り上げた、奇岩や甌穴(おうけつ)を想起させるクオリティーは圧巻ですね。
GSのグリーン系類似モデルと見比べてみましょう。
カラートーンは“穀雨”SBGH321や“定山渓”SBGH325と近しいものがありますが、本作は磐井川の水流のようにミルキーブルーな味わいも感じさせ、不思議な美しさに包まれています。
SLGH021の新しい文字盤模様は、大枠では従来の雲母摺(キラズリ)ダイヤルに該当しそうですが、“穀雨”SBGH321や“霜降”SBGH295(※どちらも和紙っぽいテクスチャー)に比べ、模様が幾何学的で立体感がある印象です。擬音(擬態)で説明すると、“穀雨”SBGH321はザラザラ、本作SLGH021はつぶつぶ、とでも言いましょうか。
SLGH021のグリーンダイヤルは、上流の激しさと下流の緩やかさを見事に描き切っており、(見る角度次第で)万華鏡のようなめくるめく幻想的な輝きを演出しています。キラキラと動く川面の揺らぎが、なんとも素敵ですね。
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